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2017-05

『謎(リドル)の謎(ミステリ)その他の謎(リドル)』(山口雅也) - 2013.01.02 Wed

謎(リドル)の謎(ミステリ)その他の謎(リドル) (ミステリ・ワールド)

「我々も遂に、群れるときが来たということなのさ」
『謎(リドル)の謎(ミステリ)その他の謎(リドル)』収録『群れ』(山口雅也) pp.91

ミステリ(謎)に必ずしも答えがあるとは限りません。F・R・ストックトンの「女か虎か」のように、芥川龍之介の「藪の中」のように、魅力的な謎(リドル)があり、結末は読者の想像に任せる物語をリドル・ストーリーといいます。本書はそんな脳を刺激し興奮の極致へ誘う、リドル・ストーリーばかりを集めた世界でも類を見ない短篇集です。まずは冒頭作「異版 女か虎」をご覧ください。王女サロメと彼女を巡る人々の究極の選択に、目がくらみます。この作品だけでも、ゼロ年代のベスト級の作品です。そして究極の選択だけがリドル・ストーリーではありません。あまり詳しく書いてしまうと読まれる興をそいでしまうので書けませんが、不条理型や被害妄想型、挑戦型や現代における究極の選択型など、本短篇集には、さまざまな形のリドル・ストーリーをご用意しました。謎に対し、答えの書かれていない本書は、アンチ本格ミステリですが、読者に推理を促すという意味では、究極の本格ミステリであるともいえます。もちろん推理などせずに、ただこの奇妙な味をご堪能いただいても構いません。装丁などからお気づきの方もいるかと思いますが、かつて早川書房が出した(現在は新装版で流通しています)叢書、〈異色作家短篇集〉が現在も巻を重ねていたら、続巻として入っていたであろう作品群です。ミステリという枠にとらわれない、幻想と怪奇、SFなどの分野にも横断する、イマジネーションの爆発があります。新時代の異色作家短篇集であり、ミステリ史の後世に残る傑作です。どうぞご堪能ください。

評価:★★★☆☆


『モンスターズ』(山口雅也) - 2008.12.01 Mon

モンスターズ

「――まあいい。とにかく、お話ししなければ、この奇妙な事態を説明することはできないのだから。だから、お厭でなければ、しばらくの間、私の話を聞いてくださいよ。……あれは、数年前の春、ちょうど今ごろのことだったんですがね……」
『モンスターズ』(山口 雅也) pp.10

誰のなかにも潜んでいるモンスター、それに乗っ取られた時に始まるミステリ―深く、濃く、そしてゆっくりと謎は深まる…『ミステリーズ』『マニアックス』に続くシリーズ第3弾。

評価:★★★★☆


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30代。サラリーマン。電気屋。休日読書。休日子守。読書量減。減。

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