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2017-05

『極夜 カーモス』(ジェイムズ・トンプソン) - 2014.01.25 Sat

極夜 カーモス (集英社文庫)

きょうは十二月十六日、午後二時半だ。クリスマスまで日の光は見えないし、出たとしてもほんの束の間にすぎない。これがこのあたりの冬だ。凍てつくような終わりなき夜に人々は鬱々と大酒をあおる。
『極夜 カーモス』(ジェイムズ・トンプソン

フィンランド郊外の村の雪原に横たわる惨殺死体。被害者はソマリア移民の映画女優で、遺体には人種差別を思わせる言葉が刻まれていた。容疑者として浮上したのは、捜査の指揮をとるカリ・ヴァーラ警部から妻を奪った男。捜査に私情を挟んでいると周囲に揶揄されながらも真相を追うカリだったが、やがて第二、第三の殺人が起きてしまう。暗闇と極寒の地を舞台に描く、フィンランド発ノワール・ミステリー。エドガー賞、アンソニー賞、ストランド・マガジン批評家賞ノミネート作。

評価:★★★☆☆



『ベルファストの12人の亡霊』(スチュアート・ネヴィル) - 2010.10.17 Sun

ベルファストの12人の亡霊 (RHブックス・プラス)

「彼らだ」フィーガンは亡霊たち一人一人を、順番に指していった。「おれが殺した人々さ」
『ベルファストの12人の亡霊』(スチュアート・ネヴィル) pp.452

かつて北アイルランド共和派のテロ実行役として恐れられたフィーガンは、和平合意後、酒に溺れる日々を送っていた。彼を悩ませるのは、常につきまとって離れない12人の亡霊。すべてテロの犠牲者だった。その苦しみから逃れるため、フィーガンは亡霊たちが指差すままに、テロ工作の指令を出した昔の指導者や仲間をひとり、またひとりと殺していくしかなかった。彼の不可解な連続殺人が、危うく保たれていた各勢力の均衡に大きな亀裂を生じさせることに。

評価:★★★★☆


『清掃魔』(ポール・クリーヴ) - 2009.12.15 Tue

清掃魔

靴脱ぐかなー。な? この糞暑い中、一日働いて来たんだ。
『清掃魔』(ポール・クリーヴ) pp.5

俺のコピーキャットは誰だ。許さん。天使の街クライストチャーチの警察署で掃除夫として働く「のろまのジョー」は、自分の模倣犯を放置できなかった。そう、障碍者を装うジョーの素顔は、クライストチャーチ・カーヴァーと怖れられる、無慈悲なシリアル・キラーなのだ。金魚だけが友達の暮らし、陽光降り注ぐ夢のない街、過干渉の母親、そんな日々の中で膨らむ孤独な妄想。尊大極まる身勝手な意識が生む、自己合理化された正しい完全犯罪。しかし模倣犯探しによって、完璧なシナリオにも亀裂が生じるのだった…。2007年ドイツ・アマゾンのミステリー部門で年間ベストセラー第1位を獲得。現代世界の理由なき殺人を犯人の主観でリアルに描きこむ、ぐいぐい読める傑作ノワール小説。

評価:★★☆☆☆


『グルーム』(ジャン・ヴォートラン) - 2008.02.25 Mon

グルーム (文春文庫)

「アイ・アム……」
「アイ・アム・フル・オブ・シット(おれはくそまみれだ)」
「アイ・アム・フル・オブ・シット(おれはくそまみれだ)」
(……中略……)
「叫べ、ちくしょう。アイ・アム・フル・オブ・シット!

『グルーム』(ジャン・ヴォートラン) pp.101

ハイムには自分だけの「世界」があった。歪んだ性と暴力の気配に満ちた世界が。社会に適応できず、母親と2人、ひきこもるように暮らすハイムの病んだ妄想。それがやがて現実を侵し、おぞましい事件を引き起こす…孤独な青年の狂気が爆発するさまを、ノワールの鬼才がひえびえとした筆致で描いた、戦慄必至の傑作暗黒小説

評価:★★☆☆☆


『TOKYO YEAR ZERO』(デイヴィッド・ピース) - 2007.12.26 Wed

TOKYO YEAR ZERO

また吐いた。灰色の胆汁。これで四回、愛宕署の便所で吐いた。黒い胆汁、茶色の胆汁、黄色い胆汁、灰色の胆汁。これで四回鏡を見た。鏡の中を四回覗き込み――
『TOKYO YEAR ZERO』(デイヴィット・ピース) pp.97

しかし浅草には空気がなかった。北を向くと左手はマーケット、隅田川の対岸、右手は廃墟だった。空気がない。同じ焼け野原、黒焦げのコンクリートと黄色の雑草が生えている場所以外には何もない。空気がない。この場所は死そのもの、常に死そのものだ。前に死があり、後ろに死がある――
『TOKYO YEAR ZERO』(デイヴィット・ピース) pp.258-259

1945年8月15日、東京、品川の軍需工場で女性の腐乱死体が発見された。そして1年後に発見される第二、第三の死体……。敗戦を機に解き放たれた殺人鬼。そいつは何者なのか? それを追う警察もまた、その内部に大いなる秘密を隠していた。
実在の連続殺人鬼・小平義雄の事件をモチーフに現代イギリス文学の旗手デイヴィッド・ピースが描く日本の「占領」とその闇。
戦慄の超大作<東京三部作>開幕!

評価:★★★★☆


『斧』(ドナルド・E・ウェストレイク) - 2005.02.13 Sun

斧 (文春文庫)

わたしは今、人を殺そうとしている。再就職のライバルとなる元同業者6人を皆殺しにする。この苦境を脱する手は他にないのだ―リストラで失職したビジネスマンが打った乾坤一擲の大博打は、やがて彼の中の"殺人者"を目覚めさせてゆく。ハイスミスやトンプスンに比肩する戦慄のノワール。ミステリの名匠の新たなる代表作。

評価:★☆☆☆☆

『このミステリーがすごい! 2002年版』第4位


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Author:Cozy
30代。サラリーマン。電気屋。休日読書。休日子守。読書量減。減。

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