さて、『キングとジョーカー』です。お薦めミステリーの本などを見ると、良く出てくるけれど、すでに絶版で、プレミアも付いていた本でした。
サンリオSF文庫の名作、
山口雅也氏の解説を得て、ついに復刊! 最初の数ページで、まさやんの設定の元ネタはここなんじゃないかと思った、
パラレル英国。パラレル英国の国王一家が中心となって話が進んでいきます。
前半部分、くりひろげられるいたずら(ジョーカー)に、こないだ読んだ『ストップ・プレス』が脳裏をよぎりました。『ストップ・プレス』はちょっとお堅い感じでしたが、『キングとジョーカー』は作家が児童文学作家であるためか、全体的な内容が緩いです。
イメージとしては、本格! な感じを抱いていたのですが、本格ではありませんでした。誰が犯人かを推理するよりも、あたふたする王女様を見守っているような話です。作品構成がそこまで秀逸ではないため、内容が錯綜して、収まりがつかないような感じがするけれど、パラレル英国という舞台が巧く吸収しているのかなぁ。
個人的には、他の人が、大絶賛するけれど、そこまでの評価とは言えず。『ストップ・プレス』の時も感じたけれど、ミステリとして読むにはちょこっと物足りない気がしました。