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2018-04

『黒い睡蓮』(ミシェル・ビュッシ) - 2018.02.24 Sat

黒い睡蓮 (集英社文庫)

それは十三日間続いた。逃走の時だ。
ある村に、三人の女がいた。
三人目の女はもっとも才能が豊かで、二人目はもっとも狡猾で、ひとり目はもっとも意志が固かった。
さて、あなたは三人のうち誰が脱出に成功したと思うだろうか?

『黒い睡蓮』(ミシェル・ビュッシ) pp.13

モネの“睡蓮”で有名な村で発生した、奇妙な殺人事件。殺された眼科医は女好きで、絵画のコレクターでもあった。動機は愛憎絡み、あるいは絵画取引きに関する怨恨なのか。事件を担当するセレナック警部は、眼科医が言い寄っていた美貌の女教師に話を聞くうちに、彼女に心惹かれていく。一方、村では風変りな老女が徘徊し…。『彼女のいない飛行機』で人気を博した著者の傑作ミステリ。

評価:★★★★☆

『このミステリーがすごい! 2018年版』 5位



『13・67』(陳 浩基) - 2018.02.12 Mon

13・67

「『はい』と『いいえ』しか示せないのに? どうやって事件を解決するの?」
『13・67』(陳 浩基) pp.19

華文(中国語)ミステリーの到達点を示す記念碑的傑作が、ついに日本上陸!
現在(2013年)から1967年へ、1人の名刑事の警察人生を遡りながら、香港社会の変化(アイデンティティ、生活・風景、警察=権力)をたどる逆年代記(リバース・クロノロジー)形式の本格ミステリー。どの作品も結末に意外性があり、犯人との論戦やアクションもスピーディで迫力満点。
本格ミステリーとしても傑作だが、雨傘革命(14年)を経た今、67年の左派勢力(中国側)による反英暴動から中国返還など、香港社会の節目ごとに物語を配する構成により、市民と権力のあいだで揺れ動く香港警察のアイデェンティティを問う社会派ミステリーとしても読み応え十分。
2015年の台北国際ブックフェア賞など複数の文学賞を受賞。世界12カ国から翻訳オファーを受け、各国で刊行中。映画化件はウォン・カーウァイが取得した。著者は第2回島田荘司推理小説賞を受賞。本書は島田荘司賞受賞第1作でもある。

評価:★★★☆☆

『このミステリーがすごい! 2018年版』 2位



『キリング・ゲーム』(ジャック・カーリイ) - 2018.01.14 Sun

キリング・ゲーム (文春文庫)

でも、三つの殺人事件の共通分母は見つけた。
僕だ。

『キリング・ゲーム』(ジャック・カーリイ) pp.204

連続殺人の被害者の共通点は何か。ルーマニアで心理実験の実験台になった犯人の心の闇に大胆な罠を仕込んだシリーズ屈指の驚愕作。

評価:★★★☆☆



『ジャック・グラス伝:宇宙的殺人者』(アダム・ロバーツ) - 2018.01.08 Mon

ジャック・グラス伝: 宇宙的殺人者 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

さて読者のみなさん、これよりわたしがドクター・ワトスン役として語るのは、この時代における最大の謎にまつわる物語です。もちろん、ここで言っているのは、マコーリイが"発見"したと主張する、光よりも速く移動する手段のことであり、その発見が引き起こした殺人と裏切りと暴力のことでもあります。当然でしょう、なにしろ超高速(FTL)なのですから!
『ジャック・グラス伝:宇宙的殺人者』(アダム・ロバーツ) pp.11

遥か未来の太陽系、人類はウラノフ一族を頂点とする厳しい“階層”制度に組み込まれた。貧困と圧政にあえぐ市民の前に登場したのが、無法の父にして革命的扇動者―宇宙的殺人者、ジャック・グラスだった。彼の行くところには、つねに解決不可能な謎があった。脱出することができない宇宙の片隅にある監獄惑星、地球の重力下では持ち上げることができない凶器、どこにも弾丸が見当たらない凄まじい威力の銃撃…。哀れな囚人やミステリマニアの令嬢、太陽系一の警察官を巻き込みながら展開する、解けない謎の先にあるものとは?注目の英SF作家が贈る、謎と冒険に満ちたSFミステリ。英国SF協会賞/ジョン・W・キャンベル記念賞受賞作。

評価:★★★☆☆

『このミステリーがすごい! 2018年版』 6位



『湖畔荘』(ケイト・モートン) - 2018.01.03 Wed

湖畔荘 上湖畔荘 下

「セオ」アリスが呼びかけた。
『湖畔荘(下)』(ケイト・モートン) pp.290

70年前、コーンウォールの湖畔荘で消えた赤ん坊。見捨てられた屋敷の現在の持ち主は、ロンドンに住む高名な女流ミステリー作家アリス・エダヴェインだった。消えた赤ん坊の姉だ。当時、湖畔荘には三人の娘がいた。そして消えた赤ん坊は待望の男の子だったのだ。女性刑事は何としてもこの迷宮入りした事件の謎を解きたくなり、作家アリスに連絡を取る。一九一〇年代、三〇年代、二〇〇〇年代を行き来し、それぞれの時代の秘密を炙り出すモートンの見事な手法。複雑に絡み合う愛と悲しみがもたらすものは? そして、最後の最後で読者を驚かすのは、偶然か、必然か? モートン・ミステリーの傑作。

評価:★★★★☆

『このミステリーがすごい! 2018年版』 4位



『フロスト始末』(R・D・ウィングフィールド) - 2018.01.03 Wed

フロスト始末〈上〉 (創元推理文庫)フロスト始末〈下〉 (創元推理文庫)

フロストはもろもろの書類一式をファイルごとセントラル・ヒーティングの炉に放り込み、何もかもが炎に炙られ、縮れ、丸まり、崩れ、白っぽい粉のような灰になるまで見届けた。
『フロスト始末』(R・D・ウィングフィールド) pp.459

デントン署を去る日が近づく中、起死回生の策も思いつかず、抱えこんだ事件もいっこうに解決する気配のないフロスト警部。根性なしのマレット署長といけ好かないスキナー主任警部は頼りにならず、わずかな部下を率いて捜査に当たる。いつも以上に出たとこ勝負な警部は、法律を無視し、犯人との大立ち回りまで演じることに。破れかぶれのフロスト警部の行く手に待つものは。全作品がミステリ年間ベスト1位の、超人気警察小説最終巻。

評価:★★★☆☆

『このミステリーがすごい! 2018年版』 1位



『その犬の歩むところ』(ボストン・テラン) - 2017.09.10 Sun

その犬の歩むところ (文春文庫)

犬にまつわる伝説は数かぎりなくある。神話に登場する彼らについて書かれた本も無数にある。彼らなしに完結する文化など地上にはない。
『その犬の歩むところ』(ボストン・テラン) pp.292

ギヴ。それがその犬の名だ。彼は檻を食い破り、傷だらけで、たったひとり山道を歩いていた。彼はどこから来たのか。何を見てきたのか…。この世界の罪と悲しみに立ち向かった男たち女たちと、そこに静かに寄り添っていた気高い犬の物語。『音もなく少女は』『神は銃弾』の名匠が犬への愛をこめて描く唯一無二の長編小説。

評価:★★★☆☆

『このミステリーがすごい! 2018年版』 8位



『青鉛筆の女』(ゴードン・マカルパイン) - 2017.07.17 Mon

青鉛筆の女 (創元推理文庫)

追伸:言わずもがなの問題を避けるために作品を書き直し、日系人の主人公スミダだけではなく白人の悪漢どもも削除したり入れ替えたりすることをお考えでしたら、喜んで再度拝見します。つまり、まったく別の本を書くことになるわけです。
『青鉛筆の女』(ゴードン・マカルパイン) pp.17

2014年カルフォルニアの解体予定の家の屋根裏から発見された貴重品箱。その中には三つのものが入っていた。1945年に発表されたパルプ・スリラー。編集者から著者タクミ・サトーへの手紙。そして、第二次世界大戦中に軍が支給した便箋――泥や血で汚れている――に書かれたタクミによる未刊のハードボイルド。作家デビューを望んだ日系青年と、編集者のあいだに何が起きたのか? 凝りに凝った三重構造の物語! エドガー賞候補作。 自称「貴族」で趣味は「探偵」という謎の男が、コネと召使いを駆使して事件を解決! 斬新かつ精緻なトリックと過去に例のない強烈なキャラクターが融合した、奇跡の本格ミステリ集。(解説/千街晶之)

評価:★★★★☆



[タグ] 書評七福神

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Author:Cozy
30代。サラリーマン。電気屋。休日読書。休日子守。読書量減。減。

海外ミステリが好きです。
読むペースに波がありますが、よろしくお願いします。

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