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2017-05

『熊と踊れ』(アンデシュ・ルースルンド&ステファン・トゥンベリ) - 2017.04.30 Sun

熊と踊れ(上)(ハヤカワ・ミステリ文庫)熊と踊れ(下)(ハヤカワ・ミステリ文庫)

「氏族は、ほんものの氏族は、絶対に仲間を裏切らない」
 やがて父さんが体を起こす。
「ほんものの氏族は、絶対に仲間を裏切らない」
 ワインのにおいのする息が、きつめのダンガリーシャツから立ちのぼる汗のにおいと混じり合う。
「ほんものの氏族は、いつでも仲間を守る」
 気のせいだと、レオには分かっている。それでも、そう感じずにはいられない。父さんは俺だけに話しかけている、と。
「そうしないと……仲間を失ってしまうんだ」
『熊と踊れ(下)』(アンデシュ・ルースルンド&ステファン・トゥンベリ) pp.61

緻密かつ大胆な犯行で警察を翻弄し、次々と銀行を襲撃していくレオたち。その暴力の扱い方は少年時代に父から学んだものだった。
かつて彼らに何がおこったのか。そして今、父は何を思うのか――。過去と現在から語られる〝家族"の物語は、轟く銃声と悲しみの叫びを伴って一気に結末へと突き進む。
スウェーデン最高の人気を誇り、北欧ミステリの頂点「ガラスの鍵」賞を受賞した鬼才が、圧倒的なリアリティで描く渾身の大作

評価:★★★☆☆

『このミステリーがすごい! 2017年版』 1位



「このミス 2017年」【海外編】、堂々の1位です!

メインストーリーは、レオ・フェリックス・ヴィンセントの3兄弟+ヤスペルの4人組が次々と起こす銀行強盗の話。
その銀行強盗という犯罪小説色を本作のベースとしつつ、銀行強盗の話と同列に差し込まれるのは、3兄弟とその父親イヴァンとの過去の物語です。

①少年時代における父親との生活
②束縛する父親から離れ、長男であるレオを中心として結成した銀行強盗団の話
というわけで、翻訳ミステリでよくありそうな、親子と兄弟の"絆"の話ですね。

上下巻ともに、レオたちは銀行強盗を次々と起こしていくのですが、こんなにうまく銀行強盗が成功するものなのかなと思いつつ、この作品って、実際に起きた銀行強盗をモチーフにしているようです。
だから、銀行強盗が安易に成功するのは、問題なしなのかな。

警察としては、ヨン・ブロンクスという警部が銀行強盗を追いますが、あまり活躍はしません。
でも、実話を元にしたフィクションといえど、銀行強盗の成功率の高さは、嘘くさく感じてしまったと感じたし、もう少し、警察との駆け引きがあった方がよかったかな。
ヨン・ブロンクスも結構な頻度で登場するけれど、あまり効果的な役回りではないんだよね。

過去のパートでは、父親はワイン漬けで、母親に暴力をふるい、その暴力によって少年のレオに父親としてのその生き様を示す。
一方、成長したレオ3兄弟は、それに嫌気がさして、家を出て行き、銀行強盗に。
ただ、銀行強盗が行き詰まってきたとき、弟としては、レオが父親に重なってくる。

とまあ、そんなお話でした。

銀行強盗のスピード感有り
"絆"の物語も読み応え有り
と、平均的なクオリティは高いと思うのだけど、物語としてはシンプルだったので、もう少し、謎めいた部分があったり、警察との攻防があったりしてもよかったかな。


aaaa

● COMMENT ●

早くも・・・

5ヶ月経って早くも中身を忘れつつあります(笑

「暴力」と「犯罪」っていうこのふたつのワードの印象が強く残ってます。
確かに謎めいてはいないので、ストーリーで見るとシンプルですが、なかなかの熱量でした。
腹立たしさよりもやるせなさの方が尾を引くんですよねー。

まだまだ2016年の在庫処理

もう5月ですが、まだまだ2016年の作品の処理中です。
今は、『カルテル』を読んでいて、次はキングかな。

『熊と踊れ』は、どうも乗り切れず。
絆の話とか、テーマはよく分かるのですが、心は震えず。


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